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二上 拓真 さん

染織工芸こと屋

農学部地域⽣態システム学科 2015年卒業

Q.商品づくりに関わるきっかけ・思い・今後の展望を教えてください!

 大学生の時にたまたま地元宮崎の染織工房 に行く機会がありました。そこで見た藍染めの色がとても美しく、またその工房のボスのユニークな人柄に惹かれ、この仕事を選びました。
 その工房では藍染めはもちろんのこと、蚕の飼育から織物作りまで一貫して行っていました。大学卒業後、約9年間そこで修行をしました。
 現在はその工房を手伝いながら、自分でも独立し、アトリエ を開いています。まだ独立してから1年目なので、これから積極的にネットショップにも商品を展開し、こだわっている藍染めの魅力的な色をより広められるように、さまざまなことにチャレンジしていきたいと思っています。

Q.農工大での思い出を教えてください!

 学生時代、特に研究室の指導教員の先生には大変お世話になりました。例えば、卒業研究は島根県の研究対象地で空き家を1ヶ月間貸していただき、住み込みで行わせていただきました。学部生の研究で1カ月の滞在というなかなかない機会を与えてくださった先生にはとても感謝しています。今でも、人との向き合い方や聞き取りの調査に取り組む姿勢や会話に、学生時代のフィールドワークの経験が生きていると感じます。
 また、理系に進んだことも自分にとって良かったと感じています。私たちの仕事は染めたり、蚕を育てたりと、よく昔から続く伝統工芸のように言われることが多いのですが、いろいろと紐解いていくと化学や生物の知識が役立っているということに気がつきます。蚕を育てるのには遺伝子や品種改良の知識が関係しており、染料には酸化や還元、発酵の知識が必要です。
 自然科学の知識を持っているからこそ楽しむことができる部分もあると考えており、そのような知識を生かして仕事に取り組めていることは嬉しいです。

Q.農工大生や農工大サポーターにメッセージをお願いします!

 現役の農工大生のみなさんには、ぜひ自分の研究をしっかり行ってほしいです。1つのことに時間をかけて向き合った経験があるかどうかは、今後自分の軸を考える際に非常に重要となるのではないかと思います。学生時代の自分に言えるかと問われたら答えに困るのですが。
 また、農工大卒業生であることで、農工大やOBの方々が産業や社会へ貢献されていることを知る機会が多くありました。さまざまな進路で頑張っている卒業生たちもいますので、これからもぜひあたたかく見守って、応援していただけると嬉しいです。

【担当学生広報スタッフ】取材を終えて・・・

担当学生広報スタッフ:農学府 農学専攻 野崎夏帆さん

 二上さんのお話は、伝統工芸の現場を自然科学的な視点から捉えているもので、自然科学の研究に従事している私にとって非常に興味深いものでした。
 また、今回の取材では、藍染めの色のすばらしさだけでなく、自分から行動することの大切さも教えていただきました。一度きりの人生なので、行動力とやる気に満ち溢れた二上さんのように、人との出会いも大切にしつつ、自分がやりたいことを精一杯頑張って、悔いのない生涯にしたいと感じました。

取材実施:2024年5月

二上さんの返礼品はこちら!

農工大ロゴ入り藍染め手ぬぐい(ハッケンコウケンキャラクター、徽章 から選択)

 化学薬品を一切用いない、発酵による藍染め技法によって染め上げた手ぬぐいで、天然の藍染めだからこそ出せる深みのある色が特徴です。速乾性に優れた手ぬぐいで、藍染め自体には昔から生地が丈夫になる、抗菌や防臭などの効果があると言い伝えられています。時代を超えて愛される藍色を、ぜひお手元で実感してみてください。

寄附番号:A14001
寄附金額:20,000円

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