ご寄附はこちらから

グローバル人材の育成に関する事業

グローバル人材育成のための海外派遣プログラム

海外留学や国際学会に参加する学生への支援を行いました。
※学生の所属・学年は支給時のものです。

2025年度 海外研究留学プログラム

工学府機械システム工学専攻 博士前期課程2年  河前 遼太

 私はイタリアのミラノ工科大学において、2か月間の研究留学を行いました。滞在先では、薬物送達や組織工学への応用を目的とした、ナノからマイクロスケールのハイドロゲルをはじめとする高分子材料の製作・評価手法を学びました。これにより、普段取り組んでいる機械分野とは異なる研究環境に身を置き、新たな視点や知見を得る貴重な機会となりました。
 また、現地では多くの博士課程学生と交流する機会に恵まれました。彼らの研究に対する姿勢や考え方には、日本と共通する部分もある一方で、異なる部分も多く、日々新たな発見と刺激を受けました。これまでにも国際学会への参加や海外渡航の経験はありましたが、日本国外で海外の研究者と共同でプロジェクトを進める経験は初めてであり、本留学を通して、研究や仕事の進め方の違い、さらには多様な価値観やバックグラウンドを持つ人々と一緒にプロジェクトを遂行するとはどういうことかを知ることができ、自分にとって非常に価値のある体験でした。
 本留学は、研究面のみならず、自身の将来のキャリアを考える上でも非常に大きな意義を持つ経験となりました。なお、本プログラムは東京農工大学基金のご支援により実現したものであり、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

工学府応用化学専攻 博士前期課程1年  吉田 彩乃

 私はこの度、東京農工大学の研究留学プログラムを通じて、アメリカ合衆国のフロリダ州立大学にて約2ヶ月間の研究留学を行いました。私は自己集合性ペプチドを利用した機能材料の開発に取り組んでおり、NMRによる解析を専門とする研究室に滞在して活動を行いました。所属するMagLabは世界でも最高分解能を誇る固体NMR装置を所有しており、様々な研究室が集まる環境下で研究活動を行うことができました。日々の実験やミーティングにおける継続的なコミュニケーションを通じて、研究室の一員として主体的に参画する姿勢の重要性を深く認識いたしました。さらに、新たな分野の実験にも挑戦することができ、研究手法の幅を広げることができました。
 本研究留学において、一人での異国での生活に不安や困難もありましたが、自身の研究を進めるとともに、現地での交流を通じて多くの学びと貴重な経験を得ることができました。これらは今後の研究を進めるうえで大きな糧になると感じております。本留学の実現にあたりご支援を賜りました東京農工大学基金に、心より感謝申し上げます。この度は研究留学に挑戦する貴重な機会をくださり、ありがとうございました。

工学府生命工学専攻 博士前期課程1年 徐千茗

 私は2025年5月から6ヶ月、イギリス・リバプール大学のSanjiv Sharma先生のもとで研究留学を行いました。滞在先は、分子インプリンティングポリマーという高機能ポリマーを用いたセンシングデバイスの開発において世界をリードする研究室で、附属病院との共同研究にも参加できる非常に実践的な環境でした。
 今回の研究留学では、アルツハイマー病のバイオマーカーを高感度で検出できる小型センサーの開発に取り組みました。日頃の実験に加え、医療現場の方々とディスカッションする機会もいただき、そこで実験室での評価と現場で求められる操作性や耐久性との間に大きなギャップがあることを痛感しました。こうした課題に対し、現場のニーズを研究へフィードバックしながら連携したことは、研究成果を社会実装へつなげるうえで貴重な経験となりました。また、社会貢献に励む同世代の研究者との交流も大きな刺激となり、自身の研究が社会課題の解決にどのように貢献できるか、研究者としての役割への理解も深まりました。
 最後になりますが、本留学を支えてくださった先生方、本留学を支援してくださった貴基金に心より感謝申し上げます。

工学府産業技術専攻 専門職学位課程1年 川名部 美桜

 2025年10月から3か月間、ドイツのイルメナウ工科大学にて研究留学を行いました。現地では物理学を専門とする研究者と共同研究を行い、量子系の振る舞いを機械学習に応用する手法およびその評価について検討しました。これまで自身は工学的観点から実装を中心に取り組んできましたが、本留学を通じて量子現象が機械学習に有用である理由といった理論的視点を深めることができました。
 さらに、多様な国籍・背景を持つ方々との交流を通じて、日本との価値観の違いを知り、自身の考え方を客観的に見つめ直す貴重な機会となりました。
 この度は、本研究留学プログラムに採択いただき、誠にありがとうございました。皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻 博士前期課程2年 渡邊 智悠

 今回の留学では、研究面と人間的な面の両方で大きく成長することができた。私の研究では、葉やツルに隠れて見つけにくいカボチャを、ロボットがカメラ(視覚)ではなく、ロボットアーム(触覚)を使って自動で見つけるロボットシステムの提案をした。カボチャ畑では、実が葉に覆われて見えず、収穫時の見落としが起こりやすい。そこで私は、独自開発した触覚センサをロボットアームに取り付けて、カボチャがあるかどうか、どの位置にあり、どのくらいの大きさかを推定する方法をまとめた。この推定手法の確立を留学中の目標とし、留学先の共同研究者と議論や実験を重ねることで、カボチャの有無を間違えずに判定でき、位置や大きさが推定可能なロボットシステムを構築することに成功した。異なる専門の研究者とも議論する中で、難しい内容ほど相手に合わせて丁寧に伝えることの大切さも学んだ。生活面でも、環境の違いに柔軟に対応しながら、自分の状態を整え、継続して挑戦する姿勢の重要性を学んだ。この経験は、今後、社会に役立つロボットを作るうえで大きな財産になる。限られた期間で成果を出せたのは様々な方々の支援のたまものであり、このような貴重な学びの機会をご支援くださった東京農工大学基金ならびに関係者の皆様に、心より感謝申し上げる。

工学府生命工学専攻 博士前期課程2年 島澤 優莉

 この度は、東京農工大学基金様のご援助を賜り、研究留学する貴重な機会を得ることができました。私はシンガポールにある南洋理工大学にて、核磁気共鳴装置(NMR)を用いた核酸高次構造解析に関する研究を3か月間にわたり行いました。
 受け入れ研究室は、私が標的としている構造を発見したところであり、NMRでの核酸構造解析について豊富な知見、技術力がありました。現地では、専門分野の学びを深めるだけでなく、異文化の中で生活しながら自分の視野を大きく広げる貴重な経験を得ることができました。多様なバックグラウンドを持つ学生と意見交換を重ねることで、これまでとは異なる考え方や価値観に触れ、物事を多角的に捉える力を養うことができました。また、日常生活を通じて、語学力だけでなく主体性やコミュニケーション能力の重要性を実感しました。今回の留学で得た知識や経験を今後の学びや将来の進路に生かし、国際的な視野を持って社会に貢献できる人材へと成長していきたいと考えています。
 最後になりますが、このような充実した学びの機会を得ることができたのは、温かいご支援をしてくださった皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻 博士前期課程2年 鈴木 まな

 北欧最古の大学であるスウェーデンのウプサラ大学に付属するオングストローム研究所にて、5か月間の派遣留学を行いました。滞在先では、安全性と加工性に優れた次世代の電池材料として期待されている固体高分子電解質について、第三成分を添加することによる電気化学特性の改善に着目した研究に取り組みました。研究所内は国際色が豊かで、該当分野における研究者同士の交流がさかんに行われていました。現地の研究チームの一員として議論をすること、ラボ内で白衣を着て実験をすること、所属する研究グループとの架け橋になること、国際学会に参加して研究発表をすること、その全てが刺激的で、非常に貴重な経験でした。自分の予定通りに事が進まず思い悩むことも多くありましたが、「諦める前に自分ができることを全てやってみる」を実践することで乗り越えてきました。また、常に真摯な姿勢でいることで、周囲からの信頼を徐々に獲得できたのだと実感しました。自分の意見を伝えられるチャンスを見極めて、逃さないことも重要です。
 この度は、東京農工大学基金の多大なるご支援を賜りまして、誠にありがとうございました。本留学により得られた学びと成長を糧に、今後も精進してまいります。

農学府農学専攻 修士課程1年 小林 拓海

 この度は、東京農工大学基金より多大なるご支援を賜り、心より厚く御礼申し上げます。皆様からの温かいご支援のおかげで、University of L’Aquila(Italy)における3ヶ月間の充実した研究留学を実現することができました。
 現地では、ウシ卵子および初期胚の超微細構造解析に向け、透過電子顕微鏡(TEM)用サンプルの作製や多様な染色手法の習得に取り組みました。実験が計画通りに進まないことや、文化・生活環境の違いといった様々な壁に直面することもありました。しかし、現地の教授や技術者、学生の皆様、そして同時期に留学されていた岡山大学の皆様など、多くの方々に支えられたおかげで、無事に研究活動を遂行することができました。研究室外でも、ホームパーティーやイベントに何度も招いていただき、国境を越えてたくさんの友人ができたことは、私にとってかけがえのない財産です。
 今後はこの経験を糧に、現在取り組んでいるウシ体外受精胚の研究をさらに発展させるとともに、後輩たちが留学への一歩を踏み出せるよう、自身の経験を伝え、積極的に後押ししていきたいと考えております。
 そして将来は、畜産分野にとどまらず、生殖医療や医薬品分野において社会に広く貢献できる人材を目指し、精進してまいります。
 末筆ではございますが、私の挑戦を力強く後押ししてくださった寄附者の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。

農学府農学専攻 修士課程2年 村井 陽香

 2025年8月から2か月間、本学海外研究留学プログラム奨学金制度に採択いただき、北欧ノルウェー王国のノルウェー生命科学大学にて研究留学を実施いたしました。本留学は、2024年度に採択いただいた研究留学に続く2度目の渡航であり、前回の研究を発展させる形で取り組み、有意義な成果を得ることができました。
 研究の進展に伴い、滞在期間を1か月延長し、計3か月間の研究を行いました。延長に際しては、研究グループの皆様に温かいご理解とご支援を賜りました。その成果は、帰国後に参加した学会においてポスター賞を受賞する形で評価されました。
 修士課程の2年間で2度に渡り研究留学の機会を賜り、合計9か月間(うち奨学金受給は8か月間)ノルウェーに滞在できたことは、国際的な環境で研究に取り組む意義を実感するとともに、自身の将来像を深く考える貴重な機会となりました。
 最後に本留学の機会を与えてくださり、2度にわたる渡航を後押ししてくださった本学指導教員の吉田誠教授、ならびに留学先指導教員のVincent Eijsink教授、帰国後も研究遂行にご尽力いただいたEirik Kommedal博士に、心より御礼申し上げます。また、本留学の実現にあたり多大なるご支援を賜りました貴基金に深く感謝いたします。