学長のご挨拶
日頃より、東京農工大学の教育研究活動にご理解・ご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
皆様ご承知のとおり、本学は今年創基150周年を迎えました。今の農学・工学のそれぞれの源流となる教育研究機関が、共に現在の新宿御苑の地に生まれたのが1874年。当時は特に、日本人の食料をどのように賄うのか、あるいは国が海外との連携を強め、新たな産業をどのように育てるのかが喫緊の課題でした。このような、日本の成長を支える大きな使命を担う中で、優れた人材の輩出と科学技術の発展に貢献してきた東京農工大学は、解決すべき課題が山積する次の時代に向け、いよいよ大きく発展しようとしています。
これからの目標は、科学技術の更なる探求、深化に加え、これを基盤に世界のあるべき未来の姿をしっかりと示し、そこに向かって挑戦する意欲ある人材を次々に輩出し、社会とのより強い繋がりの中で共に発展することであると考えています。そのために今、大学は自律的な経営戦略を打ち出し、資金循環を実現するための新たな仕組み作りや、産学官が連携したより大きなスケールの事業推進活動も計画的に進めています。これは、大学の最大の目標である、より高いレベルの教育研究の機会を持続発展的に創出するための意欲的な活動です。そしてそのような環境の中で学び、様々な価値観を持った人々と出会う機会に恵まれた学生たちが、卒業・修了後も何十年にもわたってその経験を活かし、それが社会で活躍する大きな原動力となること、そして本学出身者であることに誇りを持ち続けられることこそが最も大切であると認識しております。
皆様方におかれましては長年にわたり、本学の掲げる理念、目指す姿をご理解いただき、様々な形で多大なるご支援をいただいておりますことを、あらためまして感謝申し上げます。どうか今後とも、東京農工大学のさらなる発展のため、引き続き、東京農工大学基金等へのご理解とお力添えをお願い申し上げます。
東京農工大学 学長 千葉一裕